忙しい建設現場だからこそ広めたい、将来に活きるスキルアップツール



DX戦略室 デジタル技術革新部 坂本一馬 様 人財戦略室 人財企画部 髙島綾香 様


建設・開発事業を手がける西松建設株式会社では、建設業界の人手不足や残業時間の規制に対応するため、さまざまなDXツールの導入を進めています。


2023年8月より「Litera App(リテラアップ)」を導入。ゆくゆくは全社員が基本的なショートカットキーを使いこなし、一人ひとりの業務時間短縮を目指しています。

DX戦略室 デジタル技術革新部の坂本一馬様と、人財戦略室 人財企画部の髙島綾香様に導入のきっかけや活用状況を伺いました。


低価格で効果がわかりやすいDXツールとして導入

 

─まずはお二人の担当業務について教えてください。


坂本様:デジタル技術革新部に所属し、社内に導入するツールの調査や選定、また導入したツールの利用推進、省人化ツールの開発を行っています。


現在、約50種類のツールを紹介・導入し、業務内容・建物用途によって導入すべきツールに「必須」「推奨」「紹介」などを示してわかりやすくしたり、現場に出向いてツール等の説明会を開いたりしています。


髙島様:私は人財企画課に所属し、事業計画の達成のためにどんな人財が必要で、そのためにどのような人材を採用すべきか、社員をどのように育成していくべきかなどの人材戦略に関する企画を行っています。



─リテラアップを導入したきっかけを教えてください。


坂本様:省人化ツールを探す業務の一環として、足を運んだ展示会でリテラアップを知ったのがきっかけです。当時からショートカットキーを使ってはいましたが、新しいものを使いながら覚えられるのはいいなと思いました。

 

また、使用頻度が低いショートカットキーはなかなか覚えられないものですが、リテラアップは作業中にポップアップが出るので覚えやすく、1人あたり6ヶ月程度使えば、基本的なショートカットキーは覚えて使いこなせるようになるだろうという見積もりも立てられました。

 

加えて、効率化できる時間に対して費用面でも導入しやすかったのが決め手になりました。


現場社員向けに説明会を開催。説明会で便利さを実感してもらう


─リテラアップの利用状況を教えてください。


坂本様:現在は利用している7割が内勤、3割が現場の社員です。社内のイントラネット、ダイレクトメール等で広報し、導入希望者を募ました。


現場の社員については、申込が少なかったため自ら現場事務所に行って、リテラアップを説明し希望者にその場で申込書を書いてもらっています。

 

説明会では、私が気に入っているショートカットキーを披露しながらリテラアップを紹介しています。

例えばコピーの履歴から貼り付けられる「Win + V」、指定範囲をスクリーンショットする「Win + Shift + S」などを見ると「便利だね」という声が聞かれます。


また、内勤の社員はパワーポイントを使うことが多いので、例えばレーザーポイントが出る「Ctrl + L」などは好評で、「知らないものを覚えられて便利」という声を聞いています。

リテラアップを導入したことで、ひと月当たり1時間程度の作業時間削減ができていると思います。

 

ただ、リテラアップに限った話ではありませんが、新しいツールの導入後に積極的に利用する人と、入れただけであまり活用しない人は双方いるもので、利用推進には力を入れていく必要があると感じています。



長時間労働改善が課題の建設業。長期的な目線でリテラアップに効果を期待


─2024年4月より、建設業界にも残業規制が適用されることになりました。どのような対応を取られていますか?

 

坂本様:我々は建設現場で作業員さんと仕事をしているので、現場の管理と、質問への対応などに加え、作業員さんが1日8時間働く前後に鍵開け・段取りと消灯、戸締りをしなければならず、これだけですでに残業が発生しています。


しかし仕事はそれだけではなく、図面の確認や工程表の作成・確認、打合せ、現場確認(安全、品質、工程管理)、発注業務等といった作業がたくさんあり、作業員さんがいない時間にしか進められない作業もあります。

 

それであれば、職人さんの業務時間を減らしてしまえば良いのではないかと思われるかもしれませんが、工期を守らなければならないので、間に合わない時には削減どころか、職人さんにも残業をして進めてもらわなければならないのが現状です。

 

残業時間の削減に向けて考えられる方法として、遠隔で監督し並行で進められる業務を増やしたり、交代制を取ったりということが考えられますが、出来高確保と利益確保の面からと、人手不足で十分な人材を確保するのがなかなか難しいのが現状です。

 

残業が多い現場の社員はPCでの作業時間が内勤社員に比べ比較的短いため、リテラアップを使用することで劇的に残業時間を減らすことは期待しづらいのですが、使いこなせるショートカットキーが各人少しずつ増えることで、将来に渡って長く活きてくるだろうと考えています。

 

─今後のリテラアップをどのように浸透させていくのか、目標などがあれば教えてください。


坂本様:200人〜300人ずつ最低でも6ヶ月間は使ってもらうサイクルを繰り返し、数年かけて全社員に使ってもらおうと考えています。

イントラで説明会を行っていますが、現場の人は忙しいこともありなかなか見てもらえず、全社員一斉にリテラアップを展開するのは難しいためです。

 

現場に足を運んで地道に説明し、利用者を増やして行こうと考えています。

 

また、今年度入社の新入社員の研修がそろそろ終わるので、配属時に現場に配属される社員も含めて、全員に展開するかどうかこれから検討する予定です。



─リテラアップに期待することや要望があれば教えてください。



髙島様:ショートカットキーだけでなく、Excelなどの関数がポップアップで表示されたり、関数をスムーズに検索できる機能があったりするともっと活用できるなと思います。

 

坂本様:それから、CADなどの専門ツールにもショートカットキーが対応すると嬉しいです。