Excel(エクセル)でプルダウン(ドロップダウンリスト)を設定する方法について解説します。
入力欄の矢印をクリックすると選択肢のリストが表示されて、選ぶだけで入力が完了する入力方式を「プルダウン」と呼びます。Webページの入力フォームなどで「都道府県」や「性別」などを選択する際によく使われています。
Excelのプルダウン(ドロップダウンリスト)とは
Excelのプルダウンとは、あらかじめ作成したリスト項目を選択肢として入力できる機能です。
Excelの表にデータを入力する時、決まった選択肢の中から入力する場合や、同じものが繰り返し出てくる場合には、あらかじめ登録してある項目から選べるようにすると便利です。
Excelには、セルにプルダウン(ドロップダウンリスト)を設定する機能があります。プルダウンを使えば毎回手入力する手間が省ける上に、誤入力を防ぐこともでき一石二鳥です。
Excelのプルダウンの作り方
Excelのプルダウン(ドロップダウンリスト)の作り方は二通りあり、プルダウンに設定したい項目の数や、後で項目の追加や編集を行うかどうかで選ぶのがおすすめです。
どちらの方法も「データの入力規則」という機能を使用します。
- シート上に入力した値をプルダウンのリストに設定
- 「データの入力規則」に入力した値をプルダウンのリストに設定
シート上に入力した値をプルダウンのリストに設定
Excelのシート上にあらかじめリストを入力しておき、それをプルダウン(ドロップダウンリスト)に登録する方法です。
この方法は、以下のようなケースに向いています。
- リストの項目を後で追加する場合
- 他のExcel表から項目をコピーして使用する場合
STEP.1
Excelシート上にプルダウンに登録する値のリストを入力します。
STEP.2
プルダウンを設定するセルを選択して、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
STEP.3
「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選択し、「ドロップダウンリストから選択する」にチェックを入れます。
STEP.4
「元の値」の欄の右端にある上矢印をクリックします。
STEP.5
プルダウンに設定したいデータの範囲を選択します。範囲選択したら、下矢印をクリックします。
STEP.6
内容に問題がなければ「OK」をクリックします。
STEP.7
プルダウンを設定したセルを選択し、矢印をクリックするとプルダウンが表示されます。
MEMO
プルダウンのリストは任意の場所に作成できますが、誤って編集してしまわないよう、独立した表にしたり、枠外の離れた場所に作成したりといった工夫をするとより安心です。
別のシート上に作ったり、プルダウン設定後にリストのセルを非表示にしたりすれば印刷時も邪魔になりません。
「データの入力規則」に入力した値をプルダウンのリストに設定
Excelシート上にリストを作らず、「データの入力規則」に値を登録してプルダウン(ドロップダウンリスト)を設定する方法もあります。
この方法はシート上の見える場所に入力項目のリストを作成しないため、第三者によってプルダウンのリストが書き換えられるリスクが少ないというメリットもあります。
ただし、後から項目を追加したり変更したりする場合は、リストの方が編集しやすいといえます。あらかじめ決めた項目に変更がない場合はこの方法で十分です。
STEP.1
プルダウンを設定するセルを選択して、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
STEP.2
「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選択し、「ドロップダウンリストから選択する」にチェックを入れます。
STEP.3
「元の値」の欄にプルダウンに設定する値を半角カンマ(,)で区切って入力し、「OK」をクリックします。
STEP.4
プルダウンを設定したセルを選択し、矢印をクリックするとプルダウンが表示されます。
Excelのプルダウンの追加・編集方法
Excelのプルダウン(ドロップダウンリスト)を設定した後に項目を追加したくなっても大丈夫です。後から項目を追加したり編集したりする方法があります。
- シート上に入力した値の範囲をリスト追加分まで広げる
- 「データの入力規則」でリストに追加したい値を手入力する
- リストに値が追加されたら連動してプルダウンに自動反映させる
シート上に入力した値の範囲をリスト追加分まで広げる
Excelシート上にプルダウン(ドロップダウンリスト)のリストを作成している場合は、リストに値を追加した後にデータの入力規則で選択範囲を広げればプルダウンにも反映することができます。
後で項目が増えることが分かっている場合は、プルダウンのリストを作成する時にリストの下のセルを空けておくと良いでしょう。
STEP.1
プルダウンの項目のリストの下に、新たに追加する値を入力します。
STEP.2
プルダウンを設定しているセルを選択して、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
STEP.3
「元の値」の欄の右端にある上矢印をクリックします。
STEP.4
選択範囲を広げ、下矢印をクリックして確定します。
STEP.5
「OK」をクリックします。
STEP.6
プルダウンのリストにデータが追加されます。
下に追加するだけではなく、既存の項目の間に挿入したり順番を入れ替えたりすることもできます。
「データの入力規則」でリストに追加したい値を手入力する
Excelシート上のリストではなく、「データの入力規則」に値を入力してプルダウン(ドロップダウンリスト)を設定した場合は、作成時と同じ手順で値を追加することができます。
STEP.1
プルダウンを設定しているセルを選択して、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
STEP.2
「元の値」の欄に半角カンマ区切りで値を追加し、「OK」をクリックします。
STEP.3
プルダウンのリストにデータが追加されます。
リストに追加された値を連動してプルダウンに自動反映させる
Excelのプルダウン(ドロップダウンリスト)のリストに項目を追加した後、いちいち範囲を選びなおすのは面倒と感じるかもしれません。
そのような場合は、リストに値を追加したら連動して自動的にプルダウンに追加する方法を試してみてください。
同じシート上に追加された値をリストに自動反映する
リストが同じシート上にある場合は、あらかじめリストを「テーブル」に変換しておくことで、追加した値を自動的にプルダウン(ドロップダウンリスト)に反映することができます。
STEP.1
プルダウンのリスト内のセルを選択して、「挿入」タブの「テーブル」をクリックします。
STEP.2
リスト全体を範囲選択して「OK」をクリックすると、リストがテーブルに変換されます。
STEP.3
プルダウンを設定するセルを選択して、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選択し、「ドロップダウンリストから選択する」にチェックを入れ、「元の値」の欄の右端にある上矢印をクリックして、リストの範囲を選択し、「OK」をクリックします。
STEP.4
セルにプルダウンが設定されました。
STEP.5
テーブルに項目を追加すると、プルダウンに自動的に反映します。
別シートに追加された値をリストに自動反映する
プルダウン(ドロップダウンリスト)のリストが別のワークシート上にある場合は、リストをテーブルに変換した後、もう一手間必要です。
リストの範囲に「名前」を付けて、入力規則に指定すると、追加した項目を自動反映できるようになります。
STEP.1
プルダウンのリスト内のセルを選択して、「挿入」タブの「テーブル」をクリックします。
STEP.2
リスト全体を範囲選択して「OK」をクリックします。リストがテーブルに変換されます。
STEP.3
プルダウンに登録する範囲を選択して、「数式」タブの「名前の定義」をクリックします。
STEP.4
任意の名前を付けて「OK」をクリックします。
STEP.5
プルダウンを設定するセルを選択して、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選択し、「ドロップダウンリストから選択する」にチェックを入れます。
「元の値」の欄に「=〇〇(4.で付けた名前)」を入力して「OK」をクリックします。
STEP.6
セルにプルダウンが設定されました。
STEP.7
テーブルに項目を追加すると、プルダウンに自動的に反映します。
Excelのプルダウンを解除する方法
Excelにプルダウン(ドロップダウンリスト)を設定すると、設定した値以外は入力できなくなります。解除したくなった場合は、以下の手順で解除できます。
STEP.1
プルダウンを設定したセルを選択して、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。
STEP.2
「設定」タブの「すべてクリア」をクリックします。
STEP.3
「OK」をクリックしてウインドウを閉じるとプルダウンが解除されます。
プルダウンに連動して関連データを自動入力する方法
プルダウンとVLOOKUP関数を組み合わせ、プルダウンに連動した関連データを自動入力する方法を解説します。
STEP.1
プルダウンを作成したい表を準備しましょう。例では購入した商品のIDをプルダウンで選択すると、残りの情報も自動で入力される仕組みをつくります。
STEP.2
エクセルの別シートに、プルダウンで表示したい選択肢とそれに関連したデータをまとめた表を作成します。
STEP.3
作成した表を参照するようにプルダウンを設定していきます。プルダウンを設定したいセルを選択状態にし、「データ」タブの「データツール」にある「データの入力規則(V)」を左クリックしてください。
STEP.4
「設定」タブにある「入力値の種類(A)」の一覧から、「リスト」を選択してください。
STEP.5
「元の値(S)」の欄に先ほど作成した選択肢の範囲を入力してOKボタンを押しましょう。この箇所には、プルダウンで表示したいデータのある列を選びます。これでプルダウンの設定が完了しました。
STEP.6
次に残りの列にVLOOKUP関数を入力していきます。2.で作成した表を参照するように設定しましょう。例ではD列に「=VLOOKUP($C3,Sheet4!$B$3:$D$13,2,FALSE)」と入力することになります。同様に、E列には「=VLOOKUP($C3,Sheet4!$B$3:$D$13,3,FALSE)」と入力すればOKです。
STEP.7
入力した関数を、オートフィルで残りのセルにも入力すれば完成です。これで商品IDをプルダウンで選択すれば、残りの情報も自動で入力されます。
プルダウンの色分けや絞り込みの設定方法
エクセルのプルダウン(ドロップダウンリスト)の応用的な使い方として、プルダウンと別の機能を組み合わせた、より高度なシステムを構築する方法など中級者向けのテクニックを紹介します。
- プルダウンで選択した値を自動で色分けする方法
- プルダウンで2段階以上の選択肢を絞り込む方法
プルダウンで選択した値を自動で色分けする方法
プルダウンと条件付き書式を組み合わせて、プルダウンで選択した値を自動で色分けする方法を紹介します。
STEP.1
まずはプルダウンを設定しておきましょう。今回は例のようなプルダウンを使って、F列のセルが「合格」の場合は赤に塗りつぶされるように設定します。
STEP.2
プルダウンのセルを選択状態にして、「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選択しましょう。
STEP.3
「新しい書式ルール」設定画面が表示されますので「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択してください。「次の数式を満たす場合に値を書式設定(O)」で、「=$F3=”合格”」と入力しましょう。
STEP.4
次に「書式(F)」ボタンを押し、「塗りつぶし」タブで赤色を選択してOKボタンを押します。
STEP.5
設定に問題がなければ再度OKボタンを押しましょう。
STEP.6
これで「合格」が入力されているセルに塗りつぶしを設定することが出来ました。試しにプルダウンで合格のセルを不合格に変更してみましょう。塗りつぶしが自動で解除されます。
プルダウンで2段階以上の選択肢を絞り込む方法
最後に、プルダウンで2段階以上の選択肢を絞り込む方法を紹介します。
1回目で大まかな項目を絞り込み、さらに細かい分類を表示させることができるため、項目が多い場合に有効な方法です。
STEP.1
プルダウンを作成するデータを準備します。例では、表の「学年」列のプルダウンで「年長」「年中」「年少」を選択し、「クラス」列のプルダウンでその学年にあるクラスだけを表示するように設定します。
STEP.2
次に別のシートにプルダウンの選択肢のデータをまとめた表を作成します。それぞれの学年名とクラス名をまとめて例の画像のように表にします。
STEP.3
続けてエクセルの「名前」機能を使って、表内のグループに「名前」を付けていきます。「年長」列のB3~B5のセル範囲を選択して、左上の「名前ボックス」に、「年長」と入力して「Enter」キーを押しましょう。他の学年も同様にセル範囲に名前を付けます。
STEP.4
まずは1段階目のプルダウンを設定します。学年のセルを選択して、「データ」タブの「データツール」にある「データの入力規則(V)」を左クリックしてください。
STEP.5
「設定」タブにある「入力値の種類(A)」の一覧から、「リスト」を選択してください。
STEP.6
「元の値(S)」の欄に先ほど作成した選択肢の範囲を入力してOKボタンを押しましょう。この箇所には、プルダウンで表示したいデータのある範囲を選びます。例では「年長、年中、年少」と書かれた行を選択することになります。
これで1段階目のプルダウンの設定が完了しました。
STEP.7
続けて2段階目のプルダウンを設定していきます。クラスの一番上のセルを選択して、「データ」タブの「データツール」にある「データの入力規則(V)」を左クリックしましょう。
STEP.8
「設定」タブにある「入力値の種類(A)」の一覧から、「リスト」を選択してください。
STEP.9
「元の値(S)」の欄に「=INDIRECT(C4)」と入力しましょう。C4というのはすぐ左隣の1つ目のプルダウンの対象セルです。これで先ほど名前をつけたセル範囲とデータが連動し、2段階のプルダウンが完成します。
STEP.10
残りのセルもオートフィルでプルダウンを設定しましょう。終わったら試しに2段階のプルダウンを確認してみましょう。1段階目で選択した項目に関連づけた(名前をつけた)セル範囲の項目のみ表示されていればOKです。
プルダウンをショートカットキーで表示・選択する方法
プルダウンを表示・選択するためのショートカットキーを紹介します。
プルダウンを作成するだけでなく、よく利用する人も覚えておくとよいでしょう。プルダウンメニューを設定しているセルを選択すると、以下のような操作がショートカットで実行できます。
- 「Alt」+「↓」…プルダウンメニュー(ドロップダウンリスト)を開く
- 上矢印「↑」または下矢印「↓」…リストを選択する
Excelのプルダウンを活用しよう
Excelでプルダウン(ドロップダウンリスト)を設定すると、あらかじめ用意されたリストの中から選ぶだけで入力が完了します。
リストを作っておくだけで入力作業の負担が大幅に軽減できる上に、他の担当者に作業を依頼する場合にも入力方法で迷ったり誤入力したりするリスクが減るなどのメリットがたくさん。
効率化に役立つプルダウンの使い方をぜひ覚えてみてください。
リテラアップアプリのご利用について、法人の方は下記フォームよりお問い合わせください。
(Excel,WordなどOffice製品やPC関連の技術的な質問にはお答えできかねます。ご了承ご了承ください。)